近年、美容は女性特有のものではなくなり、男性の美容意識も高まってきています。美容大国である韓国の影響もあり、女性が男性の美容意識を許容するようになってきたことも関係しているかもしれません。
また、コロナ禍でリモートワークの時間が増え、オンライン会議などで自分の顔を改めて見る機会も増えました。それをきっかけに、スキンケアに興味を持ち始めたミドル世代(40〜50代)の男性も多いようです。
なかでも「スキンケア」は美容の基本。最近では、男性用のスキンケアアイテムやコスメも充実してきています。
そうは言っても、これまであまりスキンケアに注目してこなかった男性は、具体的に何から始めたら良いのか悩む人も多いでしょう。
本記事では、初心者でもすぐにでも始められるスキンケアの基本となるポイントを解説しています。日々の生活の中で少し意識するだけでも変わりますよ。
1.乾燥させない
まずはなんと言っても乾燥させないことがポイントです。実は、シミやシワ、ニキビなどの肌トラブルの原因は、その多くが乾燥によるものなのです。
基本的なスキンケアの手順は、洗顔→化粧水→乳液の3ステップ。余分な油分を取り除き、清潔にした上で保湿をするのが大切です。ここでは、肌を乾燥させないための具体的な方法を3つ紹介します。
1-1.ぬるめのお湯で洗顔
スキンケアの基本は洗顔です。洗顔には、毛穴の汚れ、余分な皮脂、雑菌を落とす効果があります。
朝夜の2回、毎日洗顔をするようにしましょう。使用する洗顔料はしっかり泡立てて使用すると、肌への負担も減らせます。
また、洗顔を行うときのポイントは、ぬるめのお湯(30〜34℃)で行うこと。ぬるめのお湯は、毛穴を開きやすいと言われているのをご存知ですか?毛穴を開かせることで、毛穴汚れをしっかりと除去できます。
温度の高いお湯は肌を乾燥させやすくし、やけどをする恐れもあります。また、冷たい水は毛穴が引き締まってしまうため、洗顔時はおすすめしません。
ぬるめのお湯でしっかりと洗顔することで、この後の化粧水や乳液もより浸透しやすくなりますよ。
1-2.化粧水・乳液の使用
洗顔で肌を清潔にしたら、次は必要な水分と油分を補給します。洗顔後は、なるべく早いうちに化粧水をつけましょう。
はじめは500円玉くらいの化粧水を手のひらにとり、顔全体に広げるようにしてつけます。目元や小鼻などの細かい部分は、指の腹などを使って押し込んでいきましょう。足りない場合は化粧水を追加します。また、追加して乾燥しやすい部分には、重ね付けをすると効果的ですよ。
化粧水を十分に染み込ませたら、乳液でさらに保湿をします。乳液には油分が含まれており、化粧水で補給した水分を閉じ込めてくれます。
10円玉大くらいの乳液を手のひらにとり、頬や目元など、乾燥しやすい部分から中心につけていきます。最後は顔全体になじませるように伸ばしてください。乳液は化粧水よりも少なめにするのがポイントです。乾燥しやすい人は少し多めに塗りましょう。
「自分は顔がテカリやすいから…」といって、乳液を塗らないのはおすすめしません。乳液は化粧水の水分を閉じ込める役割がありますので、乳液を塗らずにいると、化粧水の水分が蒸発してしまい、肌の乾燥につながるためです。
また、化粧水と乳液、ものによっては美容液などが1本に凝縮された「オールインワンタイプ」の商品も多く販売されています。「忙しくてスキンケアに時間を割いていられない」「スキンケア初心者でどんな化粧水・乳液を使えばいいか分からない」そんな人は、オールインワンタイプを選ぶのがおすすめです。
1-3.部屋の温度に注意
暑い時期は特に、冷えた室内に入るととても気持ちいいですよね。しかし、その快適さの反面、肌は悲鳴をあげているのです。
エアコンの風は肌を乾燥させる、ということは聞いたことがあるかもしれませんが、夏と冬は特に注意が必要です。汗をかいた状態でエアコンの風を浴びると、普段以上に水分が奪われてしまいます。
私たち人間も、温度差の激しい場所を行き来すると、体調が悪くなることってありますよね。同じように、肌も温度差には非常に弱いのです。
また、肌を乾燥させないためには部屋で加湿器を使うのもおすすめ。特に冬場は空気も乾燥するため、積極的に活用したいアイテムです。また、加湿機能のついた空気清浄機であれば、部屋の空気を清潔に保ちながら加湿できます。
2.肌への刺激を減らす
2つ目のポイントは、肌に刺激を与えないことです。私たちは普段の生活の中で、知らぬうちに肌にダメージを与える行動をとっています。少し意識するだけでも、肌へのダメージを減らすことができますよ。
肌に刺激を与えないためにとるべき行動を5つ紹介します。
2-1.洗顔時に擦りすぎない
洗顔するときは、ゴシゴシと手で擦らず、泡で肌を包み込むようにやさしく洗うようにしてください。汚れを落としたいからといって、擦りすぎるのは厳禁です。
洗顔フォームはしっかりと泡立て、泡をクッションにするようにしてやさしく洗います。泡が立ちにくい場合は、泡立てネットなどを使うのがおすすめですよ。
洗い終わった後に顔をタオルで拭くときも、擦らずに肌にタオルを押し当てるようにして拭き取ってください。
2-2.汗拭きシートを使用する
汗拭きシートは体に使用するものが多いですが、最近では顔にも使える商品も多く販売されています。汗をかく時期は特に、顔の汗を拭き取ってスッキリしたいこともあるでしょう。
体用の汗拭きシートにはアルコールなどが入っているものが多く清涼感がありますが、顔には刺激の強いものは使えません。顔に使用する場合は、「顔用」のものや「顔・体用」などと記載されたものを使うようにしてくださいね。
2-3.紫外線対策をする
女性はメイクをする前に日焼け止めを塗る人も多いのですが、男性は外出時に日焼け止めを塗る習慣がない人も多いのではないでしょうか。
「少し日焼けするくらい大丈夫」と思うかもしれませんが、紫外線による肌ダメージは意外と大きなもの。ダメージが蓄積すると、将来的にシミやシワになってしまうなど、肌老化の原因になりかねません。
日焼け止めはクリームタイプの他、最近ではジェルタイプやスプレータイプなど、軽い使用感のものも多く出ています。肌の状態や使用するシーンに合わせて選んでみてください。
また、日焼け止め以外にはBBクリームもおすすめ。BBクリームは日焼け止めの効果に加え、毛穴やニキビ跡などをカバーし、肌を均一に補整するアイテムです。紫外線対策とスキンケアを同時にできるため、近年注目されています。
2-4.過剰な洗顔やクレンジングを避ける
私たちが思っている以上に肌は薄く、ダメージを受けやすいです。摩擦や刺激には非常に敏感なため、過剰な洗顔やクレンジングは避けてください。
洗顔は朝夜の2回行う程度にとどめ、日中気になるときには汗拭きシートを使用するなど、肌への刺激はできる限り少なくしましょう。
また、ゴシゴシと擦るような洗顔は、肌トラブルや乾燥、シワなどの原因になります。洗顔やクレンジングを行う際は、必要以上に擦らないようにしてくださいね。
2-5.ひげ剃り時に気をつける
ひげ剃りが原因で肌荒れを起こす人も多くいます。口周りは食べる・話すなどよく動かす部位の一つで、顔の他の部位と比べて皮膚が薄く、敏感になっています。
口周りは乾燥しやすいため、ひげ剃り時は必ずシェービング剤を使用するようにしましょう。シェービング剤には、髭をやわらかくする他、肌との摩擦を軽減する効果があります。
また、ひげ剃り後は肌に必要な角質が剥がれた状態。水分が蒸発し肌が乾燥状態になっていますので、ひげ剃り後には必ず保湿を行うようにしてください。
3.肌を健康に保つ
スキンケアは外からのケアだけでなく、体の内側からのケアも大切。ここでは、肌を健康に保つために注意したいポイントを3つ紹介します。毎日の生活の中で意識できることばかりですので、ぜひ取り入れてみてください。
3-1.栄養のあるものを食べる
肌にいい食べ物を積極的に摂ることも、スキンケアの一つです。いくら化粧水や乳液でケアしていても、食生活が乱れていると美肌は手に入れられません。
せっかくスキンケアをするのであれば、内側からも肌に良いことをしてあげましょう。サラダなどの生野菜や植物性タンパク質の豊富な大豆製品、コラーゲンの多く含まれる鶏の手羽先や豚足、牛すじなどを意識して食べるのがおすすめです。
また、油や塩分の多いスナック菓子やジャンクフードは、余分な皮脂を生む原因になります。添加物も多く含まれていますので、美肌だけでなく健康の面でも、あまり摂らないようにしましょう。
3-2.十分な睡眠をとる
人間の体内には時計があり、一定の周期でホルモンの分泌が行われています。ホルモンが活発な時間にしっかりと睡眠をとるようにするのも、スキンケアの一つと言えるでしょう。
ミドル世代の男性の中には、働きすぎによって睡眠不足に陥っている人も少なくないようです。睡眠不足は肌のターンオーバー(古い細胞から新しい細胞に入れ替わること)を乱してしまうため、肌トラブルにつながりやすいと言われています。
3-3.過度な喫煙はしない
喫煙は、肌の老化を進めてしまうことが明らかになっています。喫煙はできるだけ控えるようにしたいところです。
タバコにはニコチンや活性酸素などの成分が含まれており、これらは体だけでなく肌にも影響を与えます。シミやシワ、顔のくすみにもつながると言われていますので、喫煙習慣のある人は頻度に気をつけるようにしてください。
4.継続する
4つ目のポイントは、毎日続けること。これまで挙げてきた外側・内側からのスキンケアを日々継続することが大切です。
4-1.スキンケアを続ける
化粧水や乳液、オールインワンによるスキンケアも、朝夜2回、毎日続けてみましょう。これまでスキンケアの習慣がなかった人は、これだけでも肌が変わってきます。
また、続けることによって自分に合う・合わない商品が分かるようになってきます。より良い肌を目指すためにも、まずは毎日続けることから始めてみてください。
4-2.湯船に浸かる
忙しいミドル男性は、入浴も日頃はシャワーだけで済ませてしまう人が多いのではないでしょうか。実は、シャワーから湯船に浸かるようにするだけで、シワが減る、頬がやわらかくなるなど、肌状態が健康になることが分かっています。
毎日湯船に浸かるようにするだけでも、体の代謝は促進され、血行が良くなり、肌状態もよくなる可能性があります。健康な肌、清潔感を手に入れるためにも、入浴方法を一度見直してみてはいかがでしょうか。
- 乾燥させない
- 肌への刺激を減らす
- 肌を健康に保つ
- 継続する
大きく4つのポイントを書きましたが、1から順番にやることを心がけてください。
コメント